名誉院長のご挨拶

心和会八千代病院の名誉院長の中山和彦(なかやまかずひこ)と申します。この場をお借りいたしましてご挨拶申し上げます。  まず心和会・八千代病院のご紹介です。昭和21年に荒井元吉先生が四街道に診療所を開設したことが起源でございます。昭和30年に大和田の地で八千代診療所、32年に八千代病院の誕生、昭和38年に精神科へと展開しました。その後昭和63年にこの地に増床して移転しましたが、遺跡が発掘されなかなか建設が進みませんでした。その間先んじて昭和58年に新八千代病院が新規開設されました。

当病院の理念は「人としての尊厳と心和む環境を大切に私も受けたいと思えるようなサービスを提供すること、また基本方針として開かれた精神医療の提供、利用者の権利を尊重し、「回復へのアプローチ」を推進、「人」を大切にした医療サービスの提供を推進する」でございます。私は精神科医として「まっすぐ・こころに届く、そして役に立つ精神医学をめざす」を掲げ、邁進してまいりました。当病院の掲げる理念と非常に重なり合っていると認識しています。

私は東京慈恵会医科大学精神医学講座に40年間在籍し、臨床・研究・教育・講座運営に携わってきました。なかでも臨床精神薬理学、女性精神医学、森田療法、てんかん学などを専門にしてまいりました。その基本にあるのは差別のない医療、役に立つ精神医学だと確信しています。今後もその信念をもって微力ながら心掛けていきたいと思います。また当事者の治療のゴールである回復、復帰にすこしでも貢献できればと思っております。

昨今の我が国の医療状況、特に精神科医療はあらゆる点で厳しさを増しております。多くの部門との連携を保ちながら、皆さまに大いに貢献できますように、またそのために八千代病院がさらに充実し発展していけるように、奮励努力していく覚悟でございます。
ご指導、ご支援をたまわりますよう、心からお願い申し上げます。

院長のご挨拶

最近の精神医療の進歩には目覚ましいものがあります。副作用が少なく安全性の高い薬が次々に開発され、デイケアや作業療法などのリハビリテーションも充実し、治療法は大きく変貌を遂げてきました。また治療法の進歩に加え、メンタル疾患に対する理解も進み、誰でもなりうる身近な病気として広く認識されつつあります。

しかしながら、一方でうつやストレス性疾患など現代社会特有の“こころ”の病も増加しており、今ほど“こころ”の健康の大切さが叫ばれる時代はないといっても過言ではないでしょう。

当八千代病院は、昭和30年に開院して以来、半世紀以上にわたり地域の精神医療を担ってまいりました。『人としての尊厳と心なごむ療育環境を大切にし、私も受けたいと思えるようなサービスを提供します』という理念を掲げ、多くの専門スタッフが、患者様との信頼関係を重視して、“こころ”を大切にする精神医療を提供しております。これからも、個人の人格を尊重し、個別のケアを基本とし、“こころ”の健康を回復・維持することを目指して、スタッフ一丸となって努力を続けていく所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。